「アメフトとラグビーって何が違うの?」
こんな風に思っていらっしゃる方は
少なくないはずです。
つい最近巷を賑わせた
某大学の悪質なタックル問題で初めて
「アメリカンフットボール」
という競技の名前を聞いた方も
いらっしゃるかもしれません。
ラグビーとアメフトは、
同じ楕円型のボール扱う球技と格闘技の
混合競技と言えますが、
内実は似ても似つかない、
様々な違いを持った競技同士であります。
それぞれにしかない特徴を知る事で
もっと面白く!楽しく!
観戦する事ができるかもしれません。
Contents
アメフトとラグビーの似ているところ
楕円球とタックル
参照:https://www.dropbox.com/s/4ahdjqlgnpjy04j/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88%202018-06-10%2010.04.18.png?dl=0
アメフト、ラグビーを構成する共通要素が
“楕円球”と“タックル”です。
一方のチームは楕円球を持った選手が
ボールを持って走ったりパスをしたりキ
ックをしたりしながらゴールを目指し、
もう片方のチームが激しいタックルで
それを阻止する攻防の中で
試合が進んで行きます。
アメフトとラグビーのボールの違い
参照元:https://second-effort.com/column/americanfootball-rugby/
同じ楕円球と言っても
ボールの形状にも違いがあります。
こちらがラグビーボール。
ラグビーボールは白くてやや角張っていて、
アメフトボールよりも細長いのが特徴です。
アメフトボールは茶色で
角張りがほとんどないのが特徴です。
ラグビーは両手でパスを投げるので、
両手で持ったときに指が引っかかりやすい
ように設計されています。
アメフトボールは片手でパスをするので
片手で投げやすい位置に
縫い目がデザインされています。
アメフトとラグビーの試合人数の違い “11人と15人”
アメフトは11人、ラグビーは15人同士で戦います。
アメフトの起源はサッカーにあり、
アメリカ軍の兵士達が
「サッカーを戦争のシュミレーションゲームにできないか」
として考えられたのがアメフトと言われています。
アメフトの11人という人数はサッカーに由来しています。
また、交代制にも違いがあり、
アメフトは1プレー毎に
何人入れ替わっても良いルールなので、
一試合に出場するメンバーが
20〜40人になります。
アメフトとラグビーのプレーの流れの違い
アメフトは1Q(クォーター)15分の4Q制。
一試合60分で行います。
ラグビーは前後半40分の
一試合80分制となっています。
アメフトは1プレー毎に試合が止まるのに対し、
ラグビーは基本的に試合が止まりません。
アメフトは一度攻撃権を得ると
4プレーで10ヤード獲得を目指します。
4プレー以内に10ヤード以上獲得すると
新たな攻撃権を得ることができます。
試合の時間の流れで言うとアメフトは野球、
ラグビーはサッカーに近いです。
ラグビーもアメフトも共通しているのは
蹴ったりパスを投げたりしながら
ボールを前に進めていく、という事です。
アメフトとラグビーの得点の違い
アメフトの得点方法は主に
“タッチダウン”
とタッチダウン後にボーナス得点を狙う事ができる
“トライフォーポイント”
そしてキックでの得点となる
“フィールドゴール”の三通りです。
タッチダウンは一回で6点、
その後のボーナスポイントはキックをすれば1点、
もう一度通常プレーをして
タッチダウンを取れれば2点獲得となります。
フィールドゴールは一回で3点となります。
通常は
タッチダウンとキックのボーナスポイント、
フィールドゴールを組み合わせて
得点を重ねる試合が大半を占めています。
ラグビーはゴールラインより後ろに
ボールを持ち込む事で得点となる“トライ”、
その後の“フィールドゴール”、
そして相手チームが重大な反則を犯した場合に
与えられるペナルティーキックの三方法
から得点を得られます。
トライは5点、
フィールドゴールは2点、
ペナルティーキックは3点です。
アメフトとラグビーのタックルの違い
アメフトもラグビーも相手を止める方法は
タックルがメインです。
ラグビーのタックルは
“ホークタックル”と呼ばれ、
体全体でボールキャリアーを捕まえるような
タックルが主流です。
これはヘッドギアしか
自分の体を守る防具がない
ラグビーが生んだ
最も安全で確実なタックルです。
一方アメフトでは
自分の額と片方の肩、胸の三点を
相手の体に突き刺すような
イメージのスピーディーで
激しいタックルが主流です。
これらは防具の数の違いに
由来しています。
アメフト界では
10数年前から脳震盪問題
の対応に追われており、
より安全なタックルの開発に
取り組んでいます。
3〜4年前にアメリカプロリーグ”NFL”
のとある競合チームが
ラグビーの“ホークタックル”
を取り入れました。
しかしこのタックル方法が
相手選手の突進に耐えられず、
そのチームの選手の多くが
肩を負傷するという事態になりました。
より安全で、力強いタックルの研究は
どちらの競技にも求められています。
アメフトとラグビーのパスの違い
アメフトは1プレーの間に
前方向のパスが一度だけ許されています。
二回以上前に投げた時点で
反則となります。
また、ボールがワンバウンドした時点で
パス失敗と見なされ、
そこでプレー終了となります。
ラグビーは前方向のパスを
一度でも行ってはいけませんが、
ワンバウンドやツーバウンドの
パスも許されています。
前方向に投げても良いか、
ワンバウンドのパスは有効か、
が大きな違いです。
アメフトとラグビーの防具の違い
アメフトは全方向から鋭いタックルが
飛んでくる可能性がある為、
全身を守れるように防具を着けるよう
義務付けられています。
頭を守るヘルメット、
歯を守るマウスピース、
胸と肩を守るショルダーパッド、
前腿を守るサイパッド、
膝を守るニーパッド、
お尻周りを守るヒップパッドは
必ず着用していなければなりません。
一方でラグビーは
マウスピースと軽量のパッドのみです。
団体やリーグによってヘッドギアの着用を
義務付けているところもありますが、
アメフトと比べて防具の数の違いは歴然です。
アメフトとラグビー危険度の違い
ラグビー、アメフト共に
選手達は怪我から自分の体を守るための体作り、
パフォーマンスアップの為の体作りを
並行して行わなければなりません。
そしてどちらの競技でも
膝や脚など下半身の怪我が
全体の怪我の7割近くを占めています。
しかし、脳震盪という怪我の発生率には
大きな違いがあります。
これは正しいタックルやヒットをしていない、
見えていない方向からぶつかられる事で
起こる場合がほとんどです。
ヘルメットという防具は
正しく使えば頭を守ってくれるものです。
10年前まで横行していた
相手のヘルメットめがけて
自分のヘルメットをぶつけてタックルする行為が
現在は禁止され、重大な反則と扱われます。
前述した通りアメフト界は
選手の安全を守りつつ競技の魅力である
“激しさ”を失わないよう
ルールの改正に取り組んでいます。
まとめ
アメフトとラグビーの共通点、
違いを理解していただけたでしょうか。
激しく体の大きな選手達が
ぶつかり合いますが、
それぞれのルールの違いが
競技の面白さ、楽しみ方を分けています。
日本ではラグビーの方が人気ですが
国内ではどちらも競技人口が
非常に少ないです。
機会があれば
一度試合に足を運んで頂き、その面白さを
肌で感じてみると良いかもしれません。