運動会やイベントなどでおなじみの、屋根のみのテント。
一昔前までは白い三角屋根のテントが主流でした。
ですが、だんだんと数を減らしており、今では各家庭ごとに色とりどりのテントを使ったりして、運動会の応援席などはとてもカラフルで綺麗ですね。
テントではなく、タープなどと呼ばれることもあります。
キャンプや登山で使うのも同じテントですが、こちらは、すべての面が覆われており、防風・防寒等に役立ちます。
組み合わせで、テントとタープを使う場合もありますね。
皆さんは、こういったテントをどう数えますか?
1個? 1台? 1張? 1幕?
物にはいろいろな数え方がありますが、正確な呼び方を勉強していきましょう!!
この記事ではテントの数え方やなぜそのように数えるようになったかをご紹介させていただきます。
Contents
テントの数え方の単位は?
テントの数え方の単位はズバリ張りです。
その由来やよくある間違いを紹介していきます。
テントの数え方は張!読み方は?
まずは、テントの数の数え方の単位ですが、テントは「1張り(ひとはり)、2張り(ふたはり)」と数えます。
広辞苑によりますと、「張りは、弓、幕、提灯などを数える語」と書いてあります。
また、別の辞書では、「張りはテント・幕・蚊帳(かや)などを数える語です。「張(ちょう)」で数えることもあります」との記載があります。
意味としましてはすぐに折りたたみができて持ち運びができる意味となっています。具体的には後ほど紹介させていただきます。
正直私は調べるまではテント1つを1テントと数えていました。
皆さまはどうでしたか?
ここでよく間違われやすい単位を紹介します。
よくある間違い
梁(はり)
こちらは、同じ読み方ですが、水垂直の柱の上に水平に置き、上からの荷重を支える部材、との事で、住宅の屋根などに使われる部材の読み方の様です。
これは読み方が一緒なので間違われやすいです。
梁とは建築で使われる言葉なので張とは全く違う意味です。
読み方さえ気を付ければ大丈夫ですね。
発音も一緒なので注意しましょう。
台(だい)
台は足を折りたためるものもあるし、大きめの器具や用具はこの単位で数えるのが多いです。
また、イメージ的に張と似ているものがあるので結構間違いやすいのではないでしょうか?
また台は、車両や機械などを数えるのに用いることが多いですね。
Ex バスが2台 ドライヤーが1台など
または、年齢や値段などのおおよその範囲を表すのに用います。
Ex 20歳台 1ドルが100円台など
基(き)
基とはもととする物。
イメージ的には基地や土台などが浮かび上がります。
これも張と似ていて間違えやすいですが基は簡易に動かせることができない意味があります。
張はそれとは逆に簡易に動かせるものを意味するためこのように覚えておけば間違える心配もないかと思います。
ちなみに基は、台や足などがあって、立てて据えておくもののことを言います。
Ex ロケットの発射台、墓石など
すべての言葉は、同じようですが、使い分けが必要なようですね。
テント1張とはどれだけのことを言う?
テント1張とはテントの天幕1つ分のことを言います。
張るというのは天幕を張るという意味も込められております。
したがって1幕=1張と覚えておいて下さい。
つまり大きさ、サイズは関係ありません。
運動会やキャンプでは何張必要?
ワンタッチテントを2つ並べると2張になります。
ちなみにキャンプ場での一張は場所によってマチマチです。
1張の単位で数えるところもあれば大きさや1間(けん)で測るところもあります。
1間は1.8mとなっています。
もし、キャンプ場に行くならば問い合わせて確認することをオススメします。
では運動会やキャンプなどでテントを使う場合、何張必要かご存じですか?
まず大事なのは何人がデントを使用するかです。
人数が5~6人であれば6人用のテントを1張でいいと思います。
また3人用のテントを2張でも構いません。
少し中のスペースに余裕が欲しければもうひとつワンランク上の広さのテントがいいと思います。
大きさや長さが制限されているのであれば状況に応じて使い分けるのがいいと思います。
Amazonや楽天市場などで売れ筋のテントは、2m×2m~3m×3mくらいが上位に来ているようです。
ちなみに筆者の子供の小学校では、1家族当たりの場所取りの基準が、2.5m×2.5mとなっていますので、大体当てはまりますね。
お店などで見た場合と実際購入して屋外で使用した時では、思ったのと違うと感じることもありますが、両手を広げた長さと、身長はおおよそ同じらしいので購入の際に目安としてみてはいかがでしょうか?
筆者の場合、身長と両手を広げた長さの誤差は、+8cmでした。
プラスマイナスの誤差は、約10cmとの事ですので、こちらもおおよそ合っていますね。
このサイズだと、大人2人、子ども2人であれば、1張で十分間に合います、真ん中にテーブルを置いて日陰に座ることが出来ました。
学校が、町中にあったり田舎にあったり、校庭の広さなどで変わるとは思いますが、大体の目安としては合っているのではないでしょうか?
テントの数え方の由来
テントの単位「張」とは張ることを意味しています。
張るという漢字は「弓」と「長」に分けられます。
長いと弓が組み合わさることによって長い弓の弦を伸ばすという意味を用いて張が誕生しました。
また張るとは伸びたり広げたりすること。設けること。
内の力や働きを外に現れるようにすることです。
このような意味を持っているためテントの単位は「張」と読まれるようになりました。
テントの歴史
調べてみると、「解体して持ち運びのできる、骨組みと布製の覆いからなる軽便家屋。移動生活を営む牧畜。狩猟民族では日常の住居として用いる。
露営用として、またサーカス・芝居などの掛小屋として用いられるものもあり形態は多様である。」
との記載がありました、まさに今使っているテントも、モンゴルなどで遊牧民の方たちが使用しているテントも、同じ形状ですので、歴史は長くかなり古くからあるという事が分かります。
また、日本の歴史では、古事記や日本書紀の時代から「帷幕(いばく)」と言った、テント状の幕が登場します。
出典:帳台(小松茂美編『続日本の絵巻13 春日権現験記絵上』中央公論社、1991年、15頁)
古事記や日本書紀は、8世紀のころのお話ですから、やはり、歴史は古いですね。
他にも変わった数え方のもの
他にも、色々な物を数えるときには物の後ろに言葉が付きます、簡単に言うと数え方の単位の事で、代表的なものは、本、個、匹などですが、
その言葉のことを「助数詞(じょすうし)」と言います。
日本語には、約500もの助数詞があるそうですが、変わっている読み方のものを、少し上げて行ってみましょう。
タンス
竿(さお)
帽子
個(こ)、麦わら帽子、ヘルメットなど折りたたむことが出来ないもの
枚(まい)、競泳用や赤白帽子など、折りたためるもの
点(てん)、店頭などで商品として数える場合
封筒
通(つう)、納品書や請求書など手紙として数える場合
枚(まい)、封筒のみの場合
封(ふう)、封筒に中身を入れて封をすることから、1封と数える場合もあります。
分かりやすいところでは金一封(きんいっぷう)などがあげられます。
手袋
双(そう)、左右を合わせることで、双(そう)と数えます。
組(くみ)、こちらも、左右を合わせて数える際に使います。
対(つい)、これも同じく左右併せて使います。左右が対になっている、といった使い方もされます。
枚(まい)、右手だけ、左手だけのようなときに使います。
まとめ
この記事では、テントの数え方から始まって、テントの歴史、数え方の単位(張り)まで、色々とまとめてみましたが、数えるものによって色々な数え方があり、
その一つ一つに理由があり歴史があることが分かりました。
まだまだ、たくさんの物の数え方がありますので、興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか?
日本語は、奥が深いですね。
一昔前までは、運動会などにも学校所有の白い大きなテントしかなく、家族ごとにテントの下で休める時代が来ることなど思いもしませんでしたが、これから秋の運動会、行楽シーズンになりますので、テントをうまく使って、秋の行楽を楽しんでみてくださいね。