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2017年に森友学園の籠池夫人の「鉛筆舐め舐めしたかもしれない」という発言が話題になりましたね。

最近はこの言葉を使う人が少ないので、イマイチ意味が分からない人が多いのではないでしょうか?

聞く人によっては「体に害がありそう」「汚い」といったイメージを持つかも知れませんね。

 

そこで今回は、「鉛筆をなめる」の意味やその言葉が使われ出した理由、また実際に鉛筆を舐める場合の害や方言についても詳しく解説します。

「鉛筆をなめる」は年代によってまだまだ使う人はいるので、ぜひ意味を知っておいてくださいね。

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鉛筆をなめるの意味は?

鉛筆をなめるの意味は2つ
「鉛筆をなめる」の意味は大きく分けて2つあり、それぞれ全く違う意味を持っています。

しかしどちらも使われる状況は結構似ているので、どちらの意味なのかということを文脈でしっかり判断する必要がありそうです。

慣用句としての意味は2つ!

「鉛筆をなめる」は、最初は良い意味でのみ使われていましたが、今では主に悪い意味で使われるようになってしまいました。

まずはそれぞれの意味を一つずつ詳しく見ていきましょう。

丁寧に・慎重に書く

丁寧・慎重に書く
「鉛筆をなめる」の元々の意味は「しっかり熟考して丁寧に(慎重に)文章を書く」ということでした。

また上記と似ていますが、「一生懸命頑張って書く」という意味もあるそうです。

こちらは良い意味であり、こちらが「鉛筆をなめる」の元々の意味です。

数字をごまかして調整する

数字を改ざんする
「鉛筆をなめる」のもう一つの意味は「数字を辻褄が合うように調整する」ということです。

また数字に限らず「誤魔化して資料などを作成する」という意味でも使われますが、どちらかといえば数字が絡む場合に使われることが多いようです。

ちなみにこの言葉は、「完全に嘘の記述をする」といった場合にはあまり使われることがないようです。

つまり100%嘘ではないけれど100%正直でもない、かなり曖昧な言葉です。

正直あまり良い意味ではありませんよね。

本来の良い意味よりも、今ではこちらが「鉛筆をなめる」という言葉の一般的な意味になっています。

森友学園の籠池夫人の発言も、こちらのニュアンスを含んでいます。

鉛筆なめなめの意味は?

「鉛筆をなめる」と「鉛筆なめなめ」はだいたい同じ意味ですが、違いとしては、

「鉛筆なめなめ」=「繰り返し○○する」「○○しながら」

などの場合に使います。

会話の中では「鉛筆なめなめ」の方が使いやすいといった理由から、こちらの方がよく耳にすると思います。

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鉛筆をなめるは死語?

若い世代の人の中には「鉛筆をなめるなんて一度も聞いたことがない」という人も多いのではないでしょうか?

実際に20代後半である筆者も、森友学園のニュースで初めてこの言葉を聞きました。

職場によっては上司などから聞くこともあるでしょうが、あまり日常的ではありませんよね。

この言葉が一番よく使われていたのは、シャープペンシルが普及する前なので、随分と昔のことです。

今では日常的に鉛筆を使うことがあまりないので、時代の流れとともに自然と使われなくなりました。

もう少し時代が進めば、「鉛筆をなめる」は完全に死語になるかもしれませんね。

鉛筆をなめるの類語

鉛筆をなめるの類義語は鯖を読む
「鉛筆をなめる」に似ている言葉として「下駄を履かせる」「鯖を読む」などがあります。

「鯖を読む」は今でもよく使われるので、馴染みがあるのではないでしょうか。

一方で「下駄を履かせる」は昔の言葉なので、あまり聞きませんよね。

この意味としては「鉛筆をなめる」と同様、(数字など)を水増しするというものです。

鉛筆をなめるの例文

良い意味では「鉛筆なめなめ書類を仕上げた一生懸命コツコツ書類を仕上げた)」などのように使います。

一方で、悪い意味では「鉛筆をなめざるを得ない状況だった(数字を改ざんせざるを得ない状況だった)」などのように使います。

しかし例えば職場などで、上司から「鉛筆なめなめしろ」と言われた場合、どちらの意味かわかりづらいですよね。

もちろん大体は「頑張って(熟考して)書け」といった良い理由だと思いますが、文脈などからしっかり判断して誤解のないようにしたいですね。

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鉛筆をなめる理由は?

なぜ「鉛筆をなめる」という言葉ができたのか、また鉛筆をなめる理由も、今では想像しづらいですよね。

そこでここからは「鉛筆をなめる」という言葉ができた理由をご説明していきます。

なぜ鉛筆をなめるとなったのか?由来は?

鉛筆をなめるの由来
「鉛筆をなめる」の由来は、シャーペンが普及する前にさかのぼります。

その頃の鉛筆は現在のものより芯の質が悪かったため、ずっと書いているとだんだん文字が薄くなります。

そんなときには芯を舐めてしめらせることで芯が復活して、再び濃い文字が書けるようになったそうです。

そのため文字を丁寧に濃く書きたいときには、芯をなめながらゆっくり書いたことから「考えながら苦労して書く」ことを「鉛筆をなめる」と言うようになりました。

またこの時代には、文字を書く時に鉛筆をなめるのが癖になっていた人も多くいたようです。

この見た目から「書類を書くこと」また「書類を改ざん・操作すること」という意味にも派生したと言われています。

鉛筆をなめる場所はどこ?

「鉛筆をなめる」は、場所としては芯の部分を指します。

先ほどの由来であったように、鉛筆の芯をなめるとしっかり濃く文字が書けるので、昔の人は割とよくやっていたようです。

今でも年配の方で時々、鉛筆の芯をなめている人を見かけますよね。

実際に鉛筆をなめると体への害はある?

鉛筆をなめることで害はある?
鉛筆は漢字に「鉛」が使われていることから、舐めたら体に害があるのではないか?と思われる人もいます。

しかし実際には鉛筆の芯は「炭素」と「粘土」でできているので、芯を舐めても人体に大きな害はありません

特に最近は子供が使う事を考慮して作られているので、特に国産のものであればJIS(日本工業規格)で品質を厳しく定められており、害のないようきちんと作られているので安心です。

しかし例えば子供が鉛筆を舐めてしまった場合などは、人体に大きな害はないですが、お腹を壊すなどの体調不良が起こる可能性があるのでやめさせたほうが良いでしょう。

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鉛筆をなめなめの方言はある?

「鉛筆をなめる」「鉛筆なめなめ」という言葉をそのまま方言にしたものは無いようですが、「なめる」は西日本の方言で「ねぶる」と言う地方が多いです。

また悪い意味に近い「ごまかす」という言葉には、「がめる」「ちょろまかす」「あやくる」「ちゃまぐらかす」などの方言があります。

一方、良い意味である「頑張って書く」の「頑張る」の方言としては「けっぱる」「気張る」「りきむ」などがあります。

それぞれの言葉を細かく見ていけば方言は沢山ありますが、「鉛筆をなめる」だと当てはまる方言はありませんでした。

慣用句なので、方言を使わずそのままの言葉のほうが伝わりやすいようですね。

まとめ

鉛筆をなめる まとめ
「鉛筆をなめる」という慣用句について解説してきましたが、いかがでしたか?

言葉は時代とともにどんどん新しくなっていきますが、その反対に「鉛筆を舐める」のように使われなくなる言葉もたくさんあります。

それには時代など様々な理由がありますが、理由を知ることでその当時の時代背景が知れて面白いですよね。

他にも日本には沢山の、あまり知られていない言葉があります。

是非そのような他の言葉にも興味を持ってみてくださいね。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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