打ち水はご存知ですか?
自分ではやったことがなくても、ご近所さんが打ち水をしているのは見たことがあるという方は多いと思います。
水を撒いたところは暑さが和らぎ、涼しくなります。
また、クーラーとは違い、どこか懐かしさを感じますよね。
私は、小学生の頃、学校の行き帰りの道でご近所の方が打ち水をよくしていたのを思い出します。
今回は、打ち水の原理や効果について、お伝えしたいと思います。
Contents
打ち水は逆効果?
打ち水は、水を地面に撒くことで、周りの気温を下げ、涼しくすると言われています。
しかし、水を撒くと湿度が上がり、逆に暑く感じてしまい、逆効果ではないかと考えたことはありませんか?
その他にも実は、打ち水にはさまざまな論争があります。
「実際効果はあるの?」といった疑問にズバリお答えしましょう。
打ち水は湿度が上がる?
湿気が多いと同じ温度でも暑く感じますよね。
クーラーを使う時、設定温度を下げるよりも、除湿モードにするだけで、かなり涼しくなります。
打ち水をすることで、もちろん空気中の湿度は上がります。
しかし打ち水における、湿度による体感温度の上昇はとても小さいものなので、不快感を感じることにはつながらないのです。
打ち水は湿度が高くなりますが、逆効果や効果なしであるというには不十分です。
それよりも、地面の温度が下がることで周りの温度が下がるほうが体感温度に効果があるので、打ち水をした方が暑さは和らぐでしょう。
アスファルトやコンクリートには逆効果?
アスファルトやコンクリートは、道を整えるのに適している反面、空気中の熱を蓄えてしまうという難点があります。
真夏のアスファルトは触れないほど熱くなりますよね。
逆に、土や芝生は保水性があるため、そこまで温度は高くなりません。
アスファルトやコンクリートには保水性がないため、打ち水をすることはむしろ効果的です。
打ち水は逆効果という論文がある?
打ち水は、昔からある生活の知恵のひとつですが、本当に効果があるのかという論争は度々起こります。
これは、世間の常識に疑問を呈するという型は、真偽に関わらず人の興味を引くからだと考えられます。
そもそも、『打ち水は逆効果』と証明する論文がある訳ではありません。
反対に、打ち水による効果を証明した論文はいくつかあるので、興味がある方は是非ご覧になって下さい。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/prohe1990/49/0/49_0_367/_article
https://www.jstage.jst.go.jp/article/prohe1990/48/0/48_0_193/_article
https://www.jstage.jst.go.jp/article/prohe1990/52/0/52_0_277/_pdf/-char/en
打ち水の原理
打ち水の原理についてご紹介しましょう。
これを理解することで、効果的な打ち水のやり方がわかるようになります。
気化熱により地面の熱が下がる
打ち水は、地面に水を撒きます。
その水が液体から気体に変わる(蒸発する)とき、地面の熱を利用します。
このことを気化熱といいます。
地面の温度が下がることで、地面から上がってくる空気の温度も下がり、体感温度が下がるという仕組みです。
打ち水の正しいやり方と効果なしのやり方
せっかく打ち水をするなら、正しいやり方と注意点を学んでおきましょう。
逆効果になってしまっては、もったいないですからね。
正しい場所と効果なしの場所
まずは、場所についてです。
先程アスファルトやコンクリートの地面には効果的という話はお伝えしました。
実は、効果なしの場所はありません。
どんな場所でも打ち水の効果はあります。
しかし、芝生や土の地面は保湿力が高く、もともと体感温度が低いので、効果が少ないと感じるかもしれません。
正しい時間帯と効果なしの時間帯
打ち水をする時間帯は、特に決まっていません。
どの時間帯に水を撒いてもほぼ同じ効果が得られますが、
昼の最も暑い時間帯に打ち水をすることで、気温のピークを下げるのが良いです。
また、効果という面では、特に涼しく感じる時間帯があるのも事実です。
なので打ち水をするのに効果的な時間帯としてよく言われるのが、
- 気温が上がる前の朝早い時間 朝7〜9時ごろ
- 気温が落ち始めた夕方の時間 夕方16~18時ごろ
に打ち水をすると効果的だと言われていますので一応覚えておきましょう。
しかし打ち水の効果は、クーラーなどに比べると小さいものです。
暑すぎると、外に出て打ち水をしてまで気温を下げても、それほど効果は得られないので、室内で休む方が賢明でしょう。
ご近所さんが、小学生の登下校の時間に打ち水をしていたのは、たまたまではなく、こうした理由に基づいていたのかも知れませんね。
また、暑い日は涼しい服装をするというのも、1つの方法です。
・夏祭りの服装で高校生におすすめは?男女にウケがいいコーデを紹介!
びちゃびちゃになるまでやると効果的
打ち水は気化熱を利用しているので、地面が濡れている間は、ずっと涼しいということになります。
つまり、できるだけ地面が濡れている時間を増やすことで、効果を持続させることができます。
しかし、「きれいな水道水を使うのであれば、クーラーや扇風機を回したほうが良いのでは?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
打ち水で使う水については、水道水を使うのはもったいないので、二次利用水がおすすめです。
二次利用水は、個人のご家庭の場合、お風呂やシャワーの残り水、台所のすすぎの残り水、子ども用プールの水などが挙げられます。
ぜひ、地面がびちゃびちゃになるまで打ち水をしてください。
風があると効果的
夏の暑い日、扇風機の風があるだけで、気温は変わらなくても涼しく感じますよね。
汗をかいている時や、お風呂上がりで髪が濡れている時など、体が濡れているときの扇風機の風はとても気持ちがいいものです。
打ち水の時も同様で、風があるとより一層効果を発揮するといえるでしょう。
打ち水の道具
打ち水は、気化熱により涼しくなることが分かりました。
また、もうひとつ涼しくなる理由は、水を撒くという行為自体にもあります。
風鈴の音や、浴衣姿を見ると、涼しく感じますよね。
それと同じで、水の音を聞いたり、水を撒いたりすることで、自分もより一層涼しく感じられるのです。
では、打ち水をするときに必要な水を撒く道具を紹介しましょう。
①ホース
庭先や玄関に蛇口がある場合、ホースが1番手っ取り早いです。
広い範囲に短時間で水を撒くやり方の場合、大きな効果を発揮することができます。
②バケツ
蛇口やホースがない場合や、二次利用水を使う場合は、バケツを利用するやり方がおすすめです。
折りたたみができるタイプだと収納場所に困りません。
③ジョウロ
手で水を撒くという方法でも十分ですが、ジョウロがあると便利です。
ペットボトルのキャップ部分を付け替えるだけで、ジョウロに早変わりするアイテムがおすすめです。
まとめ
今回は、打ち水の
・効果や原理
・正しいやり方
・必要な道具
についてお伝えしました。
打ち水のやり方や原理についてお分かりいただけましたか?
今年の夏は、みんなで打ち水をして涼しく過ごしましょう。