海の家って、自分で経営したら儲かるの?
海の家の営業とは?期間と時間についても詳しく調べてみました!
夏になるとやってくる海水浴シーズン!
どんな世代でも楽しい時間が過ごせるように、
利用料金(または飲食代)を支払ってもらい、
休憩場所やサービスの提供をするのが海の家の目的です。
海水浴に出かけて、
海の家を全然利用しないほうが難しいほど、
充実していますよねぇ~。
そして、
この「誰もが利用する」というイメージも手伝って、
「さぞかし儲かるのでは?」
なんて思う人も少なくないのではないでしょうか?
こちらの記事では、
- 海の家はズバリ儲かるのか?
- 立地条件や天気などの条件
- 営業権利や許可について
- メニューや売り上げ
- 期間や営業時間
についてまとめました。
海が大好きで、海の家の経営に興味がある人も、
ただ疑問を解明したい人も、
知らない世界を覗いてみてください!
Contents
ズバリ!海の家の経営は儲かる?
儲かっている海の家は、
夏の営業だけで数千万の黒字になるなんてこともあります!
海の家の主なサービス
・浮き輪やパラソルのレンタル・販売
・食品の販売
・休憩所・更衣室・ロッカー・シャワー
(一人当たりの利用料を設定)
・駐車場・宿泊施設の併設や紹介
その他
・音楽・スポーツ・各種イベントの開催
・スポンサーの商品などを置いてアンテナショップの役割
何気なく利用していることが多い海の家ですが、
こうやって書き出してみると、
そのサービスの幅に驚きです!
そして、最近の若者には、
SNSでアップしたいお店に行くという傾向もあります。
集客力を上げて、継続して稼ぐためには、
建物と食べ物だけあればいいという訳ではなくなってきています。
ニーズに合った戦略で稼げる海の家を目指しちゃいましょう。
SNS映えを狙うならコレ!
青い海~白い砂浜~真っ赤なハート(笑)おすすめです。
立地は?
日本には海水浴場がたくさんあります。
が、サーファー達が好むような高い波ばかりでも、
浅瀬が少なくても集客が難しいので、
利便性も含めて、
”人気のエリア”というものができてしまいます。
そこで海の家を経営したら…
儲かりそうですよねぇ~。
ところが、考えることは皆同じで(笑)競争率が高く、
大手企業などのスポンサーがついている海の家もあります。
そもそも営業できる場所が空かないと申請もできないので、
まずは、その地域の市に問い合わせをして、
営業までこぎつける事ができるのか?を確認しましょう。
確認しようにも、情報が無い!という方は、
どこに海水浴場があるのかを調べてから、
動き出しましょう。
https://water-pub.env.go.jp/water-pub/mizu-site/suiyoku2006/
引用元:環境省 「環境省選定 快水浴場百選」
天気も大事
そうなんです!
海の家の営業を一番左右するのが天気と言えます。
太陽の日差しがジリジリと暑いから、
海に来たくなるのです!
さすがに天気はどうしようもない…と思いますよね?
天気を相手におじけづくのは早い早い!
黒字だけを見ずに、赤字を減らすことを考えましょう。
家計と同じで収入と出費です。
天気予報をチェックして、
確実に台風が来る!確実に雨が降る!確実に寒い!
など、オープンしても集客が見込めない日を早めに知って、
スタッフや食材のコントロールをしましょう。
そんな時に力になってくれるのは、
その海水浴場で営業してきた先輩方のアドバイスです。
売り上げの意味ではライバルですが、
勉強させてもらう気持ちを大切にコミュニケーションを図っていきましょう。
どんな相手でもタイプを分けて接することで、
コミュニケーションが上手くいくという考え方を紹介している本です。
周りの経営者はもちろん、お客様やスタッフにも応用できますよ!
海の家の営業権利はいくら?
営業権利は大きく分けて、2パターンです。
(例 江の島周辺の営業権利の額)
☆1シーズンだけの営業権利
(150万円~500万円)
海の家の土地はほとんどが国有地なので、
基本的には場所を借りて営業する方法になります。
こちらは、6月頃に海の家を設営し、
営業期間が終了してから2週間までに解体をします。
☆永代権利
(3000万円前後)
所有している人がいて、土地を購入できる場合は、
永代権利と言って、一生ものの権利です。
夏だけではなく一年中営業することが許可されている地域では、
3年・5年・10年という独占契約ができる場所もあります。
カフェやラーメン屋、サーフショップ、マリンスポーツなど、
自分がやりたいお店を経営したい場合には、
移住も含めて検討してみてください。
営業権利以外にかかる経費も色々あります。
厨房設備・シャワー・ロッカー・パラソルなどの備品
宣伝費・ユニフォーム代
解体・建て直し
これで最低でも約400万円はかかります。
ちなみに、
営業権利の額に幅があるのは、
利便性や立地、周辺の相場などを考慮して値段が設定されているからです。
建物自体の設営にかかる金額は、面積や解体の有無にもよるので割愛しますが、
海の家を建てるというテーマで書かれた書籍をご紹介します。
建築家の畔柳昭雄(くろやなぎ あきお)さんが考える、
これからの海の家の在り方、作り方、
そして実際の経営者のインタビューなど盛りだくさんの内容です。
許可はどこでとる?
海の家は”占用(せんよう)許可”という許可をもらわなければ、
違法な営業になってしまいます。
許可をとるための申請を土木事務所に提出します。
申請ができる期間というのも決められているので、
遅くても目標の夏の一年前から経営者として動き始めます。
飲食をする場なので、
その他にもさまざまな許可の申請をします。
許可も含めて、大まかな流れを見てみましょう。
①市や土木事務所(または所有者)に物件の問い合わせ
②物件を見つけ購入金額を決める
(オープンまでのスケジュールを立てていく)
③「占用許可申請書」を出せる条件をクリア
(”地元住民であること”という項目も珍しくないので、
まずは条件をチェックしましょう)
④地元の組合と面談し、組合に加入、契約
(組合費がかかるので、支払日も含め要確認)
⑤5月頃に組合による説明会、
土木事務所、市役所、消防、保健所、税務署などに申請を提出
(ここで申請料がかかる場合もあります)
⑥6月の工事が始まるまでに、工事費の支払い
⑦オープンまでに準備~営業開始
⑧解体する場合は、営業期間終了から2週間までに解体
となります。
意外とやることが多いんだなぁ~と思った人もいるかと思いますが、
食べ物を提供する⇒人の命を預かる
ということなんですよねぇ。
楽しい海の家の営業を目指して、
丁寧に準備していきましょう!
海の家のメニューや売り上げはいくらぐらい?
海の家の定番メニューといえば、
かき氷、焼きそば、焼き鳥、焼きトウモロコシ
、たこ焼き、いか焼き、カレー、などがありますが、
その他に、暑いには熱いを!というわけで、
アツアツのラーメンが食べられるお店もあるようです。
また、飲み物では、
定番のラムネやビールの他に、
ノンアルコールのカクテルやタピオカジュースなども人気です。
と、あれこれメニューを考えていると、
儲けるためには、安く作って高く売ろう!
なんて思いがちですが、
実は、メニューの価格や利用料などの基本的な設定は組合が行い、
説明会の時に詳しく説明があります。
あまり周辺の海の家との価格に差をつけると、
集客にも差が出てしまうからです。
つまり海の家は、決められている基本的な部分以外で、
勝負していくと言っても大げさではないんです。
という訳で、特別なイベントの開催での収入が無い場合、
売り上げ目標を⇓このようにしたとします。
一日平均100人来店
1人あたりの単価2000円
一日の売り上げ20万円
月の売り上げ600万円
ワンシーズンの売り上げ1200万円
この売り上げから、
人件費、材料費、施設管理費、光熱費、
天気の変動による売り上げの増減が発生します。
年収(自分の収入)と年商(売り上げ)の違いのように、
経費を差し引いて手元に残る金額は、平均で10%と言われ、
1200万円の売り上げで、
120万円が残れば良い数字と言えそうです。
設営までにかかる金額、営業自体にかかる金額、
+赤字になる可能性も視野に入れておきましょう。
海の家の期間はいつからいつまで?
海開きの前に気温が上がって、
海水浴に出かけたら、まだ海の家がオープンしていなかった…
なんて経験ありませんか?
実は、何の相談も申請も許可もなく、
自分の海の家だけ勝手にオープンを早めたり、
営業終了の日を伸ばすというのも、
ルール違反になってしまうのです。
賑わっていてお祭りのような雰囲気だと想像しにくいですが、
どんな海の家もルールを守って営業しているんですね。
海の家の下見も兼ねて家族や友達と海水浴に行くなんて時には、
こちらを参考に!
海の家の期間
基本的には海開きから8月末までの2か月です。
中には9月の第一週の週末まで営業可能な地域もあります。
周りの海の家と相談し、組合で決めるので、
しっかりと確認しましょう。
冬のオフシーズンはどうする?
冬に海岸を通ると、
骨組みだけになった海の家が並んでいることがありますよね?
元々海の家は、
地元の本業を持つ人達が代々夏限定で儲けるために始めたので、
冬に限らず、
オフシーズンは自分の仕事に戻る人の方が多かったのです。
ですが、現在では過疎化も進み、
先ほどの”地元の人達”が本業のかたわら代々海の家を経営することが、
難しい地域も増えてきました。
そこで、既存のオーナーや企業から
「オーナー募集」の求人を出している地域も増えてきています。
気になる方は「○○海水浴場 オーナー募集」で検索を!
そして、「一年中季節を感じて生きていたい!」
なんて方には、
冬は雪の仕事!夏は海の家!という手も、
なくはないですよ(笑)
ここで、歴史から勉強してみたい人向けの本をご紹介します。
戦前までの海水浴というものの歴史、
徐々に発展していく文化との関りについて詳しく記されています。
未来を描く時、まずは歴史から学んでみると、
面白い発見に出会えるかもしれませんよ!
また、先ほども紹介しましたが、
夏の期間も含めて数年の単位で営業できる”独占契約”では、
一年を通して同じお店を経営できるという利点もあります。
海の家の営業時間は?
地域によって多少前後しますが、
通常の営業時間は8時~17時が多く、
土日はあらかじめ閉店時間を延長するパターンもあります。
更に、そこから延長をしたい場合は、
周辺の地域住民への配慮が重要になるので、
組合を通して行政へ実施計画書の提出、審査、許可が必要です。
例えば、音楽のイベントなどを開催したり、
夕方からお酒を提供するバーやクラブと言った営業内容にする場合は、
これにあたります。
まとめ
海の家を経営するにあたって必要な情報をまとめてみましたが、
いかがでしたでしょうか?
夏の2か月間でも営業をするには2パターンの権利と、
許可をとるための申請が必要だということもわかりました。
好きな事を仕事にして、生き生きと過ごせたら本当に素敵ですよね。
今年もやってくる夏!そして海!待ち遠しいかぎりです!