田植えの植え方のコツってあるの?手植えの方法とは?
興味がある人必見、田植えのやり方徹底解説します!
色々な食材が輸入され、
世界のどんな物も手に入る現代ですが、
やっぱり日本のお米は美味しい!
都会に住んでいると触れることが少ない田植え。
昔よりも子供達の健康状態を保つもの難しく、
水や空気やキレイな環境に家族で移り住んだり、
老後が長い近年では、
田舎でゆっくり時間を過ごしたいという人も増えてきています。
そこで、命を育む田植え作業について、
初心者でもわかりやすく解説します!
と、その前に大まかな田植えの流れを伝えておきますね。
- 苗をビニールハウスなどで栽培
- 田んぼの環境を整えておき、田植え
- 雑草や害虫、水の量などに注意しながら育てる
- 収穫
となります。では詳しく見ていきましょう。
Contents
田植えの時期は?
基本的に5月上旬~6月下旬が田植えが行われている時期です。
その理由は、
15度以上でないと稲が成長できない。
10度以下になると、成長を止めてしまい、枯れてしまう。
そして、実るまでには20度の気温が100日必要とされています。
代掻き(しろかき)
(田んぼの表面に肥料を撒いて、水を入れ、冬に固くなった土を砕いて平らにならす)
という作業をしてからの田植えなので、
真冬からも真夏からもスタート出来ないのが田植えというわけです。
地域によっては、
二期作(田植えの前に別の作物を作ること)
二毛作(田植え自体を2回行うこと)
をしていることもあります。
沖縄などは、早い時期に気温が上がるため、
二毛作をする傾向があるそうです。
品種も改良され続け、
地域の気候に合わせて収穫ができるようになってきたので、
昔はお米を育てていなかった北海道でも、
美味しいお米が収穫されています。
気になる方は、一度ご賞味ください。
田植えの植え方は2種類
田植えをしている光景を目にしたことはありますか?
大きな機械に人が乗っていたり、
人が田んぼへ直接手を入れていたりすると思います。
ここから、その田植え機と手植えについて、
初心者でも調べながら読むことのないように詳しく解説します。
田植え機を使って植える
昔の農家は特に子だくさんが多く、
田植えとなれば家族総出で、
一気に終わらせるのが当たり前でしたが、
だんだんと人手も少なくなり、
一から教育する時間を割くよりは、
田植え機を使う農家も少なくありません。
きっと田植え機を最初に使った時は、
黒電話から携帯に変わったくらいの衝撃が走ったでしょうね!
そして皆さん、
田植え機っていいお値段がするってご存知でしたか?
手間と時間を省くという事はお金がかかるのはわかりますが、
人が乗って田植えをするタイプの田植え機は、
200万~500万。
手で押しながら進む小型の田植え機でも、
20万~70万します。
それを何台も所有している農家さんを見かけたら、
是非「ほ~すごいぁ~」となってください(笑)
手植え
字の通り、手で植えるのが手植えです。
昔は、その田んぼに必要な人数を集めて、
横一列に並んで、
同じように後ろや前に進みながら植える方法でした。
若い頃から手植えで田植えをしていた人の腰が曲がっていて、
顔を上げられないなんて言いますが、
仕事を全うしてきた証なんですね。
現在では、小さな田んぼや、
田植え機で植えられなかった端や角などは手植えをしているようです。
田植え機の植え方のコツ
コツは、”毎年田植えをして慣れていく”につきます。
が、何も知らずに田植え機を使うのは無謀なので、
まずはベテラン農家さんの田植え機の使い方を動画でご紹介します。
キレイですよね~。
動画の中にもあるように、
まず、田植え機一台分の幅を周りに残しておいて、
中から植えていきます。
壮大なドミノ倒しと同じ考え方ですね。
周りから攻めると後で泣くことになります(笑)
苗を植える間隔に気をつける
まず、苗から解説します。
上の写真のように、
苗を数本の束にしたものを”一株”と言います。
この一株を1坪当たり何株植えるかが、
豊作への鍵になっていきます。
手植えの時代には苗の数が少ないほど楽。
⇒間隔を広くして植える。
田植え機はたくさん植えることができる。
⇒間隔を狭くして植える。
問題:上の2パターンのどちらが多く美味しいお米が収穫できると思いますか?
答え:実は、植えた苗の多さと収穫の量は比例しないのだそうです。
日の当たり方、気温、肥料の割合、水はけ、など理由は様々ですが、
離して植えて確実に育てる”疎植”(そしょく)が現在では主流になっています。
ほとんど変動させない縦の幅”条間”(じょうかん)は30cm。
変動させないというのは、しっかり日光を当てるため、
雑草や害虫除去をスムーズに行うため。
また収穫時に間隔が無いと難しいためです。
そして、田植え機で毎年調整する”株間”(かぶま)
この株間で何株植えて、苗がどれだけ必要かがわかります。
もちろん自然を相手にするので、
毎年同じようにしていれば安泰ということはありません。
その年その年の植え方については、
地元の人の情報が一番なので、
近くの農家さんか、
JAに相談してみる事をおすすめします。
苗をまっすぐ植える
ポイントは田植え機(乗車用の場合)の左右に出ている印をつける棒。
サイドマーカーという名前です。
(すべての田植え機についている訳ではないので、購入時に要確認です。)
これは片方の長さが田植え機の約半分の長さなので、
折り返した時に田植え機の中心に来ていれば、
まっすぐ植えられているということになります。
この、田植え機の中心を定めるのが難しい!
ということで、解決策を見つけました。
田植え機の中心を片目で見て、
印の線と合わせる!
これは、画家のデッサンでも使われるように、
(精密に視力を調べると)両目とも同じ視力という人ばかりではないので、
どちらか片方の方が焦点を合わせやすいことがあります。
なので、田植え機の中心と植えたい印が合わせずらいと感じたら、
お試しあれ!
手植えの植え方種類
さぁ、手植えをしよう!となっても、
苗を持ち下を向いて植えていくという姿を想像していませんか?
昔の人から学べることってどんな分野にもあるんですねぇ。
手植えの植え方にも色々あることがわかりました。
横縄植と縦縄植、植える位置を明確にする方法をご紹介します。
横縄植
出典元:http://www.ipc.shimane-u.ac.jp/food/kobayasi/taueiroiro.htm
その名の通り、
横一列に並んで、一列ずつ植えていく植え方です。
慣れている人と慣れていない人がいる場合には、
植えていない所がないように、
全体を見ながら植えていき、
一列植えたことを確認したら次の一列を始めます。
縦縄植
出典元:http://www.ipc.shimane-u.ac.jp/food/kobayasi/taueiroiro.htm
こちらは、縦の列を人数や経験を考慮して割り振って、
各々進めていく方法です。
この方法の方がスムーズかと思われますが、
きちんと所定の場所に植えていかないと、
脱線してバランスが崩れてしまうので注意が必要です。
定規を使う
http://www.ipc.shimane-u.ac.jp/food/kobayasi/taueiroiro.htm
出典元:http://www.ipc.shimane-u.ac.jp/food/kobayasi/taueiroiro.htm
あらかじめ横や縦の目印をつけておき、
植える時にそこに合わせて棒や紐を置き、
それも一緒に移動させながら植えていく方法です。
初心者が多い時や面積が広い時に確実に植えられます。
線引植
出典元:http://www.ipc.shimane-u.ac.jp/food/kobayasi/taueiroiro.htm
こちらは、田んぼ自体にラインを引いておき、
それに合わせて植えていく方法です。
先に準備する手間はありますが、
ラインを踏んだり見失ったりしない限りは、
手植え自体を早く終わらせる、有効な方法です。
手植えのコツ
田植えの服装やアイテム
手植えのやり方が分かったところで、
役に立ちそうな道具も紹介します。
代掻きに便利!
田んぼにおしりをついても大丈夫!
同じ体制だからこそ、日焼け防止!
田植えの服装についてはこちらで詳しく書いています。
・田植えの服装でおすすめは?女性や子供のおしゃれな着こなし術!
風がない日を選ぶ
苗を植える田んぼではなく、
ビニールハウスなどで苗を栽培しておいて、
大きな田んぼへ移植する田植えが主流になってきた現在ですが、
植える直前に、植えやすくするため
(田植え機に乗せるため)に一旦ある程度の根を切ってしまうので、
田んぼへ植えた後、成長するためには、
また根を張る必要があります。
これを”活着”と言い、4日~5日かかります。
活着を助けるために水も少し減らします。
ここで、強風にさらされてしまうと、
苗が風に耐えられず、倒れたり枯れてしまうことがあります。
また、活着が順調に進むためには、
気温と水温が低すぎないことが非常に大切で、
風だけではなく、天候が悪い予報が出ている時の田植えは、
大事な苗のためにも避けるべきと言えます。
植える間隔をあらかじめ計算する
出典元:https://www.iijan.or.jp/shokunounet/saibai/ine07.html
例えば、1坪に60株植えたい場合、
株間を18cmほどにします。
疎植を考えるのであれば、
株間を24cmまで広げて、1坪45株というのもありです。
ちなみに、
ほとんどの田植え機の設定で出来る株間の最大幅は28cmです。
また、上のイラストにもあるように、
苗は成長と共にフサフサな稲穂に変身します。
なので、苗の束である株の本数を減らして、
間隔を調整するという方法もあります。
一株した苗の本数を”ぶんけつ数”と呼びます。
もし個人で手植えされるのであれば、
同じ年に間隔と株の量を変えた数パターンを、
作ってみるのも面白いですね。
植える深さ
深すぎても浅すぎても苗に良くないことと、
田んぼの中はほとんど見えないので、
体で覚えていきましょう。
分かりやすく説明した動画をご覧ください。
土の中に入れるのは約2cmほど。
また、所定の場所に土が少ない場合は、
少し手で寄せて植えましょう。
足跡に気をつける
田んぼに入ってみると、
本当に足の自由がきかなくなります。
そして、苗を植えることに集中しすぎて忘れがちなのが、
足跡です。
なぜ気を付けるべきかというと、
”穴”になってしまうからです。
そこに無理に苗を植えようとすると、
そこだけ深く植えることになってしまいます。
水に浸かりすぎると枯れてしまう恐れもあります。
なので、次に植える場所と足を置いても大丈夫な位置を確認してから、
一歩を踏み出しましょう。
書籍・田植え体験の紹介
田植えを始めるのにぴったりの書籍を見つけました!
【石板ファームハウス】
田植えはもちろん、稲刈り、わら細工、そのたイベント盛りだくさんです。
http://ishizaka-farm-house.com/
【足立区都市農業公園】
子供連れでも楽しめる豊富な手作り体験ができます。
https://www.city.adachi.tokyo.jp/koen/shisetsu/koen/014.html
最近人気の田植え体験は、
都内近郊だけではなく、地方へ行くツアーも組まれているほど。
まずは近くで田植えの体験ができるか検索してみてはいかがでしょうか?
結び
田植えの植え方、手植えの方法をご紹介しました。
田植え機は便利で農業には欠かせない存在になっています。
一方で、手植えで植える技術を培ってきた人たちが、
より美味しいお米ができるように創意工夫してきたことを思うと、
手植えは絶やしてはいけない作業なのではないでしょうか。
趣味や本業、教育や思い出作り…どんな形でも、
田植えに興味が湧いたら、
とことん自然に触れて楽しんでくださいね!