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日本国内のどの方言よりも分かりづらいという評価を受ける津軽弁。

でも、そこに暮らす人たちの心を知るには、やはり津軽弁を理解しておきたいところ。

今回は、青森出身の私が津軽弁例文一覧にしてご紹介します。

その中には、かわいい告白ありがとう早口言葉も取り上げます。

 

短くて、ぶっきらぼうで、時には返事も返してくれない津軽の人たち。

しかし、そんな態度は実は津軽の人の奥ゆかしさによるもの。

表現が他の地域と異なるのにも、その成り立ちの違いが存在します。

 

そしてまた、津軽の人の気持ちを最も伝えやすい言葉として、津軽弁が残っています

この記事で、少しでも津軽弁の成り立ちと、それを使う津軽の人達のことを理解してもらえれば、嬉しく思います。

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津軽弁の特徴やイントネーションは?

津軽の玄関 青森駅

津軽弁は、青森県の西側から青森市までの津軽地方に残る方言です。

同じ青森県の中なのに、東側で使われる南部弁とは、イントネーションも言葉も違います。

これには、それなりの理由があるのです。

津軽弁の特徴

津軽弁は、そのルーツを出雲王朝に持つと言われています。

出雲王朝は、古墳時代に隆盛を誇ったとされる日本古来の王朝です。

663年の唐王朝による征服による歴史の改鼠によって存在が消されましたが、その文化は出雲大社を中心とする出雲文化として、伝承されています。

 

その唐王朝による占領を受けた際、王朝の人々は遙か津軽に、その居を移したとされています。

古事記の中では、国家を表す天に対して、実質的支配者を日と表しています。

津軽の異表記である東日流とは、支配者が東に流れた地であることを示していると言われます。

 

その結果、出雲弁と津軽弁には、多くの共通点が残ることになりました。

出雲弁は、西のズーズー弁とも呼ばれており、このにも津軽弁との共通性が見られます。

方言ってよく「うつる」と言われていますが、津軽弁はうつるどころか理解もされませんよね?

こちらの記事では、関西弁などが「うつる」理由や心理をまとめてみました。

方言がうつる理由はなぜ?心理や期間も調査してみた!

津軽弁のイントネーション

津軽の人

津軽弁は、アクセントが北奥羽方言に属する方言です。

 

このグループは、シとス、チとツ、ジ(ヂ)とズ(ヅ)の発音がシ・チ・ジになるという特徴で知られています。

例えば、寿司も煤も獅子も、どれもススと聞こえてしまいます。

 

また、逆接の接続助詞の「けど」に変えて「ども」や、その変種が用いられます。

津軽弁の場合は、順接の「だはんで」と逆接の「だばって」の組み合わせが多用されます。

 

肝心のイントネーションについてですが、この規則を見つけるのは大変です。

基本的なアクセントは東京式アクセントになっていますので、文章の抑揚については東日本の方には違和感が無いものと思います。

しかし、その違和感の無さのため、相手の伝えたい単語が拾えないというすれ違いも起きます。

 

津軽弁の名詞に対するイントネーションは、基本が平板です。

平板な音の上がるポイントの傾向は、標準語よりも音一つ分後ろです。

あくまでも音一つ分なので、同じ母音が続く間は上がりません。

 

その結果、3文字目までは上がらず、4文字目以降の文節の終わり、またはその前の音が上がることが多くなります。

単語ごとに見ると、最後の1文字だけ上げておけば多くの場合が正解になります。

 

しかし、津軽弁のアクセントの単位は文節です。

接続助詞が入ると、最後の音上がりは、そこにズレてしまうのです。

また、単語の途中で上がった音は、接続助詞まで上がりっぱなしになります。

 

というものの、こういった傾向もどんどん崩れつつあります。

新しく入ってきた単語については、そのままを受け入れる傾向があるようです。

カタカナ言葉のイントネーションは、標準語と近いものが多いようです。

それを津軽弁に不自然無く組み込むように、抑揚が調整されています。

 

イントネーションの違いを気にするよりは、実際に相手に接して意を汲み取るのが簡単です。

津軽の人は、消極的で自分から話しかけて来ることは少ないですが、話しかけてくれた人には気持ちを伝える努力を惜しみません。

気軽に話しかけて、音節で区切る津軽弁に馴染んで貰えると嬉しいです。

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津軽弁の例文を一覧で!

津軽線は津軽弁の坩堝

それでは、注目を避ける津軽の人ならではの会話を、ご紹介しましょう。

例文1:どさゆさ

津軽弁の最も特徴的な点は、会話の短さでしょう。

寒すぎて、出来るだけ口を開かなくて済むように進化(退化?)したんだという説も、まことしやかに伝えられます。

その短い会話の代表とされるのが、これです。

 

どさ

ゆさ

 

たった4文字のやりとりですが、これで1往復のやり取りが完成しているんです。

この会話は、顔見知り同士が道で出会った時のもので、意味はこんな感じ。

 

どこに行くの?

銭湯に行くところだよ。

 

あまりの短さに特別な言い回しのように感じられるかも知れませんが、このレベルのやり取りは、津軽では、あちこちで聞かれます。

例文2:ククカケメン

同じく短いやり取りとして紹介される組み合わせです。

 

ク?食べたいかい?
はい、食べたいです
はい、どうぞ
食べてください
メ?美味しいですか?
美味しいです

 

こういったやり取りは状況が有って成り立つものですから、言葉だけ切り取っても何の話だか分かりません。

しかし、シチュエーションが存在すれば、津軽の人はこのやり取りを違和感なく解釈します。

津軽弁は、状況有りきの部分が大きい方言のようです。

例文3:ナノモノワノモノ

もう1つ、面白い言い回しをご紹介します。

これは、二人の会話によるものではなく、標準語でも良く聞く言い回しを津軽弁に直したもの。

音が面白いので、載せておきます。

 

なのものわのものわのものわのもの

 

意味は「お前のものは俺のもの、俺のものも俺のもの」なんです。

これは、分かった方もいらっしゃるかも知れませんね。

かわいい津軽弁一覧!

めんこいわらし

津軽弁には余計な音を含まないために、ぶっきらぼうに聞こえることもあります。

話し慣れていない相手に、なんとか伝えようと頑張った結果、怒ったように伝わることもあります。

でも、本当は津軽の人は出しゃばらないだけで、優しくて面倒見が良いんです。

そんなやり取りを、意味を知りながら覗いてみましょう。

全国各地のかわいい方言をランキング形式にしてみました。

ぜひこちらもチェックしてみてください!
かわいい方言をランキングでまとめた!告白されてキュンとくるのは?

かわいい津軽弁1:わらはんども連れで来いへ

この会話の登場人物は、久しぶりに会った若いお母さん同士です。

お互いに、子育て真っ最中のようです。

わぃーはぁ、めんずらしのあらまぁ、お久しぶりぃー
わのえでおなごばりのはなしすはんでこね?私の家で女子だけで話すんだけど来ない?
えでまんまかへねばまいねはんで家で食事をさせないといけないから
わらはんどもつれでこいへ子供達も連れてきなさいよ
めいわぐだのーじゃ、お言葉に甘えようかな
なんもなんもいやいや、大丈夫よー
へばねーじゃあ、あとでねー

ほとんど1対1の対応になっているので、単語単位の対比はしやすいかと思います。

でも、津軽出身ではない人には、単語の切れ目が見つけられないかも知れませんね。

かわいい津軽弁2:はんかくさくてまいね

さて、せっかくお呼ばれしたので、その先を覗いてみましょう。

自分の子供を褒められた時の、津軽人の反応が出ています。

あらーよぐきたなまぁいらっしゃい
わいはなんぼめんこわらしだばあらま、なんて可愛い子なんでしょ
なんもはんかくさくてなんもまいねんだいいえ、バカで全然ダメなんですよ
めぐせがってねんであいさつしへんが恥ずかしがってないでご挨拶しなさい

津軽の人は、自慢話が嫌いです。

嫌われ者にならないために、身内は卑下することが当たり前のようになっています。

でも、本当は可愛くてしかた無いんですよ。

かわいい津軽弁3:どってんしておっけでまった

最後に1つ、とっさの時に出てしまって恥ずかしくなるフレーズを。

 

わいはなんぼまんだな

どってんしてどんずだしておっけでまったでゃ

 

これは、びっくりして、ころんだ時にパンツが見えてしまったという意味です。

どういう対応になるか、分かりますか?

津軽弁で告白

津軽の恋人は恥ずかしがり

色々考えてみたのですが、津軽弁での告白って無いかも知れません。

口下手な津軽の人は、告白無しに何となく付き合い始めて、何となく結婚ということが多かったように思えます。

 

でも、最近の若者達にとっては、地方関係なしに告白は大事ですよね。

だから、こんなフレーズを作ってみました。

 

わ、なのごとのっつすきだんだばって

わいは、こったらだみったぐなしばが?

なんもや、なばだっきゃめごくてめごくて、はぁ

わ、どすべ

わ、かちょぺねくてまいねべが?

なも、わもおめのごとすぎだったよ

へば、わどつきあってけねべが?

うふ、うれしい

 

これ、訳します。

 

オレ、キミの事がメチャクチャ好きなんだけど

あらま、こんなブスを?

いやいや、キミのことを考えると可愛くて可愛くて、もぅ

えー、どうしよぅ

オレって、情けない奴でダメかな?

ワタシも、アナタのことが好きだったよ

じゃあ、オレと付き合ってくれないかな?

うふ、ウレシイ!

 

標準語に直してみると、ちょっと言葉だけ浮いてしまって引くかも?

津軽弁バージョンは、初々しい二人の照れながらの会話として読んで下さい。

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津軽弁の挨拶

みんなと一緒

津軽の人は、自己主張を嫌います。

そして、津軽弁は、その時の状況に合わせて意味を変えて伝わります。

そのためもあって、標準語とは、1対1で対応しないことが時々あるのです。

津軽の人が誤解されるこのと多い挨拶について、解説させてください。

ありがとう

寡黙な津軽の人は、助けられるのを嫌います。

かといって、弱みを握られるのが嫌なわけではありません。

恩返しが出来なかったら申し訳ないと、思う気持ちから出たのがこの言葉。

 

めわぐだのぉ

 

この言葉の意味は、ご迷惑をおかけします。

津軽の人は余計なお世話にならないように、恩を返す方法やタイミングにも悩みます。

そのために、手を貸して貰った時点で謝っておくのです。

おはよう

昔の津軽の人は、自分は周囲の人に好かれているという自信を持ちませんでした。

だから、挨拶をすること自体が自意識過剰な気がして恥ずかしいことでした。

それでも目上の人に挨拶をしなければならない時は、小さな声でつぶやきます。

 

おはようごす

 

ご想像の通り、おはようございますが短くなったものです。

相手が気づいてくれないから、それでも構わないのです。

だって、嫌われている人には挨拶されたくないだろうと思ってしまうから。

 

こんにちは

挨拶しない昔の津軽の人たちに、津軽弁での挨拶の言葉は存在しません。

だから、こんにちはに相当する津軽弁は存在しません。

というより、挨拶自体をしないのです。

 

おぅ、あら、どうも

 

待ち合わせで出会った時、津軽ではそんな掛け声で相手への認識を促します。

集合場所を決めても、見ず知らず同士であるならば無言で人数だけが増えて行きます。

 

おやすみ

挨拶の無い津軽では、寝る時にも決まった言葉は使われません。

そこで口から出るのは、これから自分が寝室に入るという宣言です。

 

だば、はぁねるぇ

 

それじゃ、もう寝るよ。

挨拶とは言えませんね。

 

津軽弁の早口言葉

しゃべればしゃべったって

最後に、とても有名な津軽弁の早口言葉をご紹介しましょう。

本当は、イントネーションもキチンと津軽弁でクリアして欲しいのですが、一先ずは、読んでみて下さい。

 

しゃべればしゃべったってしゃべらいるし

しゃべねばしゃべねってしゃべらいるし

どうせしゃべらいるんだば

しゃべねでしゃべらいるより

しゃべってしゃべらいるほうがいいってしゃべってらって

しゃべっておいでけ

 

しゃべしゃべ言ってるこの早口言葉の意味は、こんな感じです。

 

話せば話したって言われるし

話さなければ話さないって言われるし

どうせ言われるんなら

話さないで言われるよりは

話して言われる方が良いって言ってたって

言っといてね

 

この早口言葉には、実は南部弁バージョンもあるのです。

 

へればへったってへられるし

へねばへねってへられるし

どうせへられるんだば

へねでへられるより

へってへられだほうがいいってへってたって

へっておいでけれ

 

こっちのほうがリズミカルで楽しそうですね。

その他の津軽弁一覧!

面白い津軽弁は、まだまだたくさんあります。

それでは、ここまでに登場できなかった津軽弁を、一気にご紹介したいと思います。

イントネーションは、想像つきますか?

 

よく使われる言い回しの一覧

まずは、会話の中によく飛び出してくる言い回し。

いくつか、前出のものも入っていますが、ご勘弁を。

 

どんだんず?どういうこと?
勉強しても0点って、どんだんず?
なんぼまんだななんてこった
なんぼまんだな、バス行ってまったじゃ
まいねだめだ
人のもの盗ればまいねよ!
あます残す
腹いっぱいだったらあまして良いよ
かますかきまぜる
砂糖入れたから、かまして飲んでね
かいる壊れる
そう強く叩けばかいでまるよ!
おっける転ぶ
雪で滑っておっけてまったじゃ!
めぐせ恥ずかしい
みんなの前でおっけでめぐせがった
じょっぱり意地っ張り
なんぼじゃっぱりだもんだな
あこもこ掘るわがままを言う
そうあこもこ掘らねんでや
けっぱる頑張る
一等賞取れるように、けっぱれ!
へやな、へばのじゃぁね、さようなら
へやな(男言葉)へばの(女言葉)
もちょこちょいくすぐったい
なんだか背中もちょこちょいな

 

加減を表す津軽弁の一覧

次の言葉たちは、加減を表すのに使います。

津軽弁で表した方が、言葉の表情が豊かになるもの達です。

 

わんつかほんの少し
のっつどたくさん
うだでぐとんでもなく
のれそれ力いっぱい

 

身体の部位を表す津軽弁の一覧

津軽弁では、身体の部分を表す言葉も独特です。

津軽弁を交えると、かわいく感じるのもあれば、専門用語っぽく感じるのもあります。

 

どんずお尻
まなぐ
おどげあご
なずきひたい
あくどかかと
ぼんのごうなじ
じゃんぼ
じゃま背丈

 

あんさまとおんちゃま

あんさまは、津軽でなくても聞くかも知れませんが、意味は微妙に違うようです。

そのせいで、津軽の人と外の人の間で、会話がすれ違ってしまうこともあります。

その原因は、対義語のおんちゃまを知ると理解することができます。

 

あんさま長男、跡取り
おんちゃま長男以外の男子

 

あんさまは、標準語のアンチャンと混同しそうですが、津軽弁のあんさまは跡取りの長男のことを指します。

家督を継ぐ相手への敬意を込めて、兄様と読んだものが訛ったのでしょうね。

対するおんちゃまは、それ以外の男の子供の呼称です。

叔父様が訛ったものらしく、オンチャ、オンジと呼ぶこともあります。


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まとめ

期待したタイミングで返事が返って来ないせいで、誤解されることの多い津軽の人たち。

でも、その理由は、津軽の人の心を占める奥ゆかしさにあるのでした。

 

津軽弁は、そんな津軽の人たちの気持ちを伝える言葉です。

伝えたい状況が共有されていれば、短い津軽弁でも相手に心ごと伝わります。

標準語にはない表現もあれば、常識的だと思われているやり取りそのものが無いこともあります。

津軽の人を理解するならば、先ずは津軽を訪れてください。

そこで同じ空気と時を共有していれば、きっと津軽の人の心も感じられる筈です。


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