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少し前まで「うさぎ跳び」といえばスパルタ体育教師の象徴でした。

遅刻したり、ダラけていたりしたら「うさぎ跳びで校庭一周だ!」なんていうのも、アニメなんかで見たことがあるのではないでしょうか?

昔は特に野球選手やバレーボール選手には良いトレーニング法とされ、体育の授業でも取り入れられていましたが、最近ではうさぎ跳びが禁止されている学校も増えてきています。

確かに数回でもゼェゼェしそうで大変なイメージがありますが、一体何が理由で禁止されてしまったのでしょう?


今回はうさぎ跳びのメリット・デメリットを見ていくと共に、禁止や体罰とされた原因、良くないとされる理由をまとめてみました。

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うさぎ跳びとは?

うさぎ跳びとは、膝を曲げ、しゃがんだ状態でジャンプしながら前進するというトレーニング法です。

「巨人の星」「新・巨人の星」に出てきたということで有名です。

巨人の星 うさぎ跳び
出典元:http://blog.livedoor.jp/harrycallahan/archives/3176026.html

なんと古事記や万葉集にも登場する長い歴史があるトレーニング方法なんですね。

へぇ〜、ってなりますよね?^ ^

うさぎ跳びは効果なし!

うさぎ跳びは「古いトレーニング法」というイメージがありますよね。
本来下半身を鍛えるため、ジャンプ力、瞬発力強化のためと言われてきましたが、最近見かけなくなってきました。

やっても意味ないと思われている理由は、トレーニング的効果がない上に怪我を招くということです。

うさぎ跳びが効果がないと言われる理由

あんなに大変で体力を消耗するのに、トレーニングとして効果がないんじゃ骨折り損という感じですよね。

しゃがんだ状態では瞬発力に効果なし

そもそもウサギの格好を人間が真似しただけのこの姿勢は、人間の体にとっては非常に不自然です。
深くしゃがんで足首の力だけでジャンプしようとしても、アキレス腱を鍛えることにならないだけでなく、下半身の瞬発力には全く効果がないのです。

柔軟性の低下につながる

うさぎ跳びは大腿四頭筋などの細かい筋肉に硬直的緊張を与えるので、柔軟性の低下につながるとも言われています。
筋力と同じくらいスポーツに重要な柔軟性がここで失われてしまうわけです。

うさぎ跳びが危険や有害、良くないと言われる理由

1980年代から医学的に体への有害性が危惧され始めたうさぎ跳び。

効果ないと言われる理由の大きなものが、トレーニングの効果どうこうよりも怪我してしまって本末転倒になってしまう、ということです。

その体に悪いと言われる原因としては、間違ったフォームに関係があるのです。

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膝や腰への影響

うさぎ跳びによって引き起こされる怪我の種類は、パッと調べてでてきただけでも

  • 腓骨の疲労骨折
  • 半月板損傷
  • オスグッドシュラッター病
  • アキレス腱断裂
  • 足底腱膜炎

とこれだけあります。

これらは下肢に重すぎる負荷がかかってしまい起きる怪我です。

人間の体は直立で歩くためのつくりになっており、膝を曲げて体重をかける姿勢には適していないのです。

また腰に関しては、ハムストリングが伸びているため骨盤が後ろへ傾き、その腰が曲がった状態でジャンプから着地すると、上手く体重を受け止められずヘルニアになる可能性も高いです。

フォームが難しい!正しいフォームは?

昔の体育教師やスポーツ指導者は、「効果的なトレーニングをさせる」よりも「とにかく辛い運動をさせ、根性をつけさせる」目的でうさぎ跳びをさせていたことが多いです。

そのため、正しいフォームを教えないまま、きついうさぎ跳びを長時間やらせる、なんていうケースがほとんどでした。

問題なのは、この正しいフォームを教えられたとしても保つのはとても難しいということです。

こちらが正しいフォーム。

ジャンピングスクワットみたいな感じですね。

マンガやアニメ、お父さん世代が部活でやっていたうさぎ跳びと全然違います。


ポイントは膝を曲げすぎないことです。

この中腰のような状態でジャンプし続けると、かなりきついことから、だんだん座り込むように膝を完全に曲げる悪い姿勢ができあがってしまったんですね。

日本スポーツ協会も勧告

うさぎ跳びが現代のトレーニングメニューから消えた最大の理由は、日本スポーツ協会の勧告ではないでしょうか。
公式HP:日本スポーツ協会

日本を代表する委員会から「うさぎ跳びが危険」と言われれば、他のスポーツ協会、チームも辞めざるを得ませんよね。

日本体育協会は特に成長期の中学生へのうさぎ跳びへの注意を呼び掛けています。
骨が発育する時期に膝に負担がかかるうさぎ跳びをすると、膝の下の骨の成長を妨げる恐れがあるのです。
そのため、身長が伸びなくなってしまう可能性も大です。

他の安全で効果的なトレーニング

そんなに危険性があるうさぎ跳びよりも、もっと効果的で安全なトレーニングがあるならその方が良いですよね。

うさぎ跳びの代わりとなるトレーニングの代表はスクワット

うさぎ跳びとほぼほぼ同じ姿勢でゆっくり落ち着いてできるので最近多くの人が実践していますね。

ただスクワットも膝を曲げる運動ですので、膝を内側に向けない背中や腰を反らないなど注意点を気を付けないと腰や膝を痛める可能性があります。


そのほか、下半身を鍛えるという意味では反復横跳びなどもおすすめできます。

うさぎ跳びメリットや良いとされてきた理由は?

一部からは、うさぎ跳びは良いトレーニングとされています。
それは何故なのでしょう?

体力的にも精神的にもきついということが、うさぎ跳びの最大のポイントなのです。

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下半身の強化

うさぎ跳びは下半身の筋力に効果があるとされてきました。

大阪桐蔭の野球部を指導する西谷浩一監督も冬場の強化練習でうさぎ跳びを取り入れています。


西谷監督は温故知新を大事にしており、人工的なウェイトトレーニングだけでなく、山の中でのダッシュやうさぎ跳びなどの古いトレーニング方法も適度に取り入れるんだとか。

確かに、体格がしっかり出来上がった後で正しいフォームで適度に取り入れる分には下半身強化に効果的との声もあります。
オリンピック金メダリストの吉田沙保里さんも自身のトレーニングメニューにうさぎ跳びを取り入れているようです。

上からの角度でわかりにくいですが、ちゃんと腰が完全に下に落ちていません。
オリンピック選手ですらこの姿勢を保つのがきついと言っているのですから、いかに一般の中学生に向いていないかがわかりますよね。

精神的な強化

とにかくキツイうさぎ跳び。

それとセットで言われてきたのが、「水を飲むな」。

つまり、水を飲む暇をも惜しみ、きついうさぎ跳びをすれば根性が鍛えられるという考え方の根性至上主義からうさぎ跳びは一時、気概と胆力の象徴とされてきたのです。

それに辛いことをチームの皆と乗り越える、みたいな言い方をすると凄く良いことに聞こえますし、途中リタイアすると根性なしみたいな雰囲気になってしまいますね。

しかし、それはうさぎ跳びの危険性や熱中症、その他選手の体力、体調などを考えずに行われていたのです。

うさぎ跳びが禁止された理由は?うさぎ跳びは体罰?

うさぎ跳びの危険性はもちろん、禁止となった理由には実際に起きた怪我、事故が大きいです。

調べてみると、多くのQ&Aサイトでも「体育の授業でうさぎ跳びをさせられたが、体罰じゃないのか?」という質問を見つけました。

 

間違ったフォームが危険

前述したように、体格ができあがった人が正しいフォームで適量だけ行えばうさぎ跳びは効果があるとされているので、うさぎ跳びは効果がないから禁止されたわけじゃありません。

しかし逆に言えば、常に姿勢に気を付けていないと怪我に繋がってしまう難しいトレーニングなのです。

中学生以下は身体ができあがっていないから、うさぎ跳びは怪我の危険性を考えて禁止。
高校生も体の成長にバラつきがありますし、正しいフォームで何回も続けるのはかなりきついです。

その場合、何十とあるトレーニング法から違うトレーニングメニューにした方が良い気がしますよね。

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罰目的のうさぎ跳びは体罰

うさぎ跳びが体罰かどうかは賛否両論ありますが、いわゆる昔っぽいスポ根コーチ、監督は、トレーニングではなくとしてうさぎ跳びをやらせていたことが多いです。
体罰や暴力に敏感になってきた最近の教育機関としては、それが良くないとされたのでしょう。

実際に2017年、鳥取県の県立八頭高で野球部監督は、1年生16人をグラウンド整備を怠った罰として、うさぎ跳びをするよう指示しました。
止める指示をしなかったため、うさぎ跳びは一週間以上毎日1~3時間続き、一人が両膝に怪我をしてしまったのです。

その監督は二年間の謹慎処分、減給10分の1が1カ月分課せられました。

この場合のうさぎ跳びはトレーニングではなく、罰ですし、適した量ではないですね。
その上怪我を負わせてしまったので、体罰とみなされたのです。

このように、うさぎ跳びをさせて怪我ということがニュースになれば、担当の指導者は責任重大ですし、うさぎ跳びを避けるのも無理ないですね。

うさぎ跳びのイメージ

うさぎ跳びが段々なくなってしまったのにはやはりイメージが悪くなってしまったというのが大きいでしょう。
うさぎ跳びといえば、健康的なトレーニングというよりは、根性試しの訓練という感じがしますよね。

皆さんの中にも、うさぎ跳びは古い、罰、体に悪いというイメージがあるため、学校などでそんな辛いことを生徒にやらせれば親御さんたちからクレームがきてもおかしくありません。

まとめ

結論としては、うさぎ跳びは正しいフォームで適した練習量をする分には効果的ですが、それはオリンピック選手でも大変なトレーニングで、間違ったフォームで行うと怪我の危険性が高いため多くのチームや学校で禁止されています。

もし鍛えたいな、と思っている人はスクワットなど代わりのトレーニング方法にした方が無難ですね。

下半身強化のためにうさぎ跳びを取り入れようと思っている方は、中学生以上であること、正しいフォームをトレーナーの人に学ぶ、やりすぎないことを気を付けて怪我には十分注意しましょう。

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