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ちいちゃんのかげおくり

ちいちゃんのかげおくり」というお話はご存知ですか?

なんとなく、国語の教科書で読んだような、、、と記憶が曖昧な方や、むしろ小学生の頃読んで忘れられない、という方もいるかもしれませんね。

「ちいちゃんのかげおくり」は1982年に発行された、あまんきみこさんの作品です。

昭和61年ごろから小学3年生の教科書に載り始めました。

 

今回の記事では「ちいちゃんのかげおくり」はどんなストーリーだったのか?あらすじや実話なのかどうか?詳しい情報を見ていきます。

「ちいちゃんのかげおくり」は教科書にいつから載ってる?などについてもこちらの記事で書いています。

あわせてお読みください!
ちいちゃんのかげおくりは国語の教科書にいつから掲載?全文の内容も



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ちいちゃんのかげおくりは実話?

 

まず、ネットでもちいちゃんのかげおくりについて最も大きな疑問が、「実話なのかどうか」ということ。

確かに戦争の話題ですし、こんなストーリーがあってもおかしくないですよね。

 

しかし、ちいちゃんのかげおくりはフィクションです。

戦争自体は実際にあったことなので、歴史的フィクションといった方が良いかもしれません。

 

ちいちゃんのように誰にも気づかれず、誰にもその人生を語られずに亡くなった人々はたくさんいました。

その事を、作者のあまんきみこさんは「ちいちゃんのかげおくり」という物語を通して伝えたかったのだと思います。

 

ちいちゃんのかげおくりのあらすじ

ちいちゃんのかげおくりのあらすじ

出典元:EhonNavi

ここでちいちゃんのかげおくりのあらすじを振り返りたいと思います。

  • ちいちゃんの個人的プロフィール
  • 家族構成や登場人物
  • いつの時代?
  • ちいちゃんはひとりぼっちに
  • ちいちゃんの死因やクライマックス

という順番でみていきたいと思います。

 

ちいちゃんのwikiプロフィール!

小学生3年生で習う内容だからなのか、なかなか細かい描写のない物語ですが、少しでもわかることをまとめてみました。

ちいちゃんで何歳で何年生?名前や出身地は?

まずはちいちゃんの年齢ですが、何歳という明確な設定はありません。

しかし、物語を通してある程度推定することができます。

しっかり喋れていること、一人で走れていることから推定4~6歳ではないかと思われます。

小学生だったとしても、おんぶされていたり、幼い口調だったりを考えると1年生くらいだったのではないでしょうか。

 

本名は明記されておらず、ちいちゃんとだけ呼ばれています。

 

出身地については、原爆被害のあった広島や長崎など、様々な説がありますが、登場人物の話し方に訛りがないことやほぼ焼野原となった惨状から推測すると東京かそこに近い都会だったのではないかと思われます。

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家族構成や登場人物は?

ちいちゃんのかげおくりに出てくる登場人物は多くありません。

おとうさん

体が弱いにもかかわらず、ストーリーの序盤で戦争に行くために家族を残し、列車に乗っていってしまいました。

ちいちゃんとおにいちゃんにかげおくりのやり方を教えてくれた人物でもあります。

おかあさん

空襲警報が鳴った時、ちいちゃんとおにいちゃんと避難していたが、ちいちゃんとはぐれてしまいます。

おにいちゃん

ちいちゃんと一緒にかげおくりをしてたくさん遊びました。

避難中、転んでしまい、ちいちゃんの代わりにおかあさんに負ぶわれて火の手から逃げます。

ちいちゃん

主人公の小さな女の子。

避難中、家族とはぐれ、たった一人で死を迎えました。

知らないおじさん

ちいちゃんがおかあさんたちとはぐれた時、ちいちゃんを代わりに抱き上げて避難してくれた。

はす向かいのおばさん

空襲が止んだ時、ひとりぼっちのちいちゃんと一緒に焼け落ちた家まで帰ってくれました。

 

いつの時代?

この物語の時代背景は、「戦争」という言葉から察せるように、第二次世界大戦が終戦したころ。

つまり、1945年です。

住むところは焼け落ち、食べるものも無い、日本の歴史上どん底といえる時代です。

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ちいちゃんはひとりぼっちに

 

おとうさんは戦争に行ってしまい、戦の勢いがどんどん増す中、ある日空襲警報が鳴り響き、町は火の手に囲まれました。

おかあさん、おにいちゃん、ちいちゃんは急いで避難し始めます。

 

はじめ、おかあさんはちいちゃんとお兄ちゃんと手を繋いで走ります。

火の手が近くまで来た時、お母さんはちいちゃんを抱きかかえて走りますが、途中おにいちゃんが転んでひどい怪我を負ってしまった為、お兄ちゃんを負ぶって、ちいちゃんは自分で走る事になります。

これが、ちいちゃんが最後に家族を見た瞬間なのです。

 

知らないおじさんが、人々のいる橋の下までは一緒に逃げてくれましたが、ちいちゃんのおかあさんが見つかったのかと思い、ちいちゃんを置いて行ってしまいます。

ちいちゃんは大勢の知らない人の中で一晩を過ごし、次の日の朝、泣くのをこらえておばさんと一緒に焼け落ちた自分の家まで歩くのでした。

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ちいちゃんの死因やクライマックスは?

ちいちゃんは物語の最後、ひとりぼっちで亡くなってしまいます。

その死因については、飢え、脱水症状、栄養失調、精神の衰弱など色々なものが重なったのだと思われます。

食べるものは少しの干し飯しかなく、水も飲まずに数日間一人で過ごしたちいちゃんの身体・精神状態からすれば何が原因でもおかしくありません。

 

ひとりぼっちで防空壕で眠り、二回目の朝が来た時、ちいちゃんは家族みんなでかげおくりをする幻聴が聞こえ、ふらふらしながら一人でかげおくりをします。

するとちいちゃんは体が空に吸い込まれていくのを感じ、家族にまた出会えたことを幸せに思いながら亡くなりました。

ちいちゃんのかげおくりの感想

短くてシンプルな物語だからこそ、人それぞれ感じ取るものは違うと思います。

ただ一言、「悲しい話」とだけでは表せないものがありますよね。

SNSの感想をまとめてみた

子供の音読や宿題を見てあげるお母さんたちにとっては、ちいちゃんのかげおくりは自分も涙してしまう辛い単元のようです。

自分でも怖いし、子どもたちを怖がらせたくもないけれど、戦争の悲惨さは教えていかなければならないこと。

お母さんという立場になって読み直すと、自分の家族と重ねてしまいさらに読むのが辛くなりますよね。

 

私も読んだ時に試してみましたが、多くの人も「ちいちゃんのかげおくり」を読んで実際にかげおくりをして遊んだようです。

ちなみに当時この遊びには名前がなく、作者のあまんきみこさんが名付けました。

 

皆さんはかげおくりを実際にやってみたことがありますか?

自分の影を数十秒間じっと見つめて、そのまま空を見上げると、、、なんということでしょう!

自分の影が空に浮き上がります。

友達や家族の影と一緒に見つめると、友達や家族の影も一緒に浮かび上がりますよ。

 

かげおくりの仕組み、遊び方が気になる方は、こちらの記事で詳しく書いています。

ぜひ読んでみてください。

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ちいちゃんのかげおくりの私の感想

ここで私の個人的な視点から思ったことを述べたいと思います。

私は小学3年生の時読んだ時と、今読んだ時では感じ方が違う事に気づきました。

小学生の頃は悲しいとは思っても、どこかピンときていないような、教科書の中にあるたくさんのお話の一つに過ぎなかったような気がします。

でも今、色々な事を見て、聞いて、勉強した後で読み返すと、この作品に、柔らかな表現の中にどれだけ戦争の残酷さが詰め込まれているのかがひしひしと伝わってくるのです。

 

ちいちゃんはこの物語の中で一度も泣きません。

死んだときでさえ、悲しんだり苦しむ表現はなく、家族との再会を心から喜ぶように亡くなるのです。

町が火の渦におおわれ、家族と離れ離れになっても小さな女の子が泣くことすらできないその状況が、どれだけ今の平和な世の中と比べて苦しかったのかを考えさせられます。

 

今になって色々な事に気づかされ、読んだ後に街中で小さな子供を見かけると「この子たちにちいちゃんのような思いはさせてはいけない」と反戦意識が更に高まるのを感じます。

まとめ

いかがでしたか?

少しでも「ちいちゃんのかげおくり」という物語を思い出すのに役立てば幸いです。

 

「ちいちゃんのかげおくり」は痛々しい表現を使わずに戦争の悲惨さが伝わるので小学生向けの平和教育にぴったりなのではないでしょうか。

これからも教科書に載り続けてほしいものです。

そしてより多くの人に、世界にいる人たちにでさえも、この物語が伝わっていけばいいなと思います。

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